【2014.4】正規輸入再開■女帝のマジック・タッチ後継者。
免許皆伝の高弟。
元祖シンデレラ・ボーイは、今や新潮流の中心に…【Failla Pinot Noir Sonoma Coast 2017】 + 何はともあれ、まずはここから… + ◎「日本が手放してしまったソノマ・ピノの中でも最も悔やまれる存在、それがフェイラ。
近頃のフェイラを見ていると、残念ながら今やちょっと手の届かない存在になりつつあるな…と痛烈に感じさせられます。
」 …とは、日本輸入停止中に記述しました私イナムラ個人的なフェイラへの所感。
そんな憂虞を吹き飛ばし、今回みごと正規ルートを再開通させて下さった日本インポーターさんには感謝×2です。
そんなわけで、2014年4月に日本正規輸入復活を果たしたフェイラ。
「新潮流の旗手」とされる名前は幾つか挙げられますが、それらの多くがとても手の届かぬ価格帯である中、ワインとしても、人物としても確実に "本流の一つ" であり、しかも中心に極めて違いこれほどの存在でありながらいまだこの価格で飲めるフェイラは本当に貴重な存在です。
◎「信じ難い複雑性。
」 by Wine Enthusiasut ◎「高度な推奨品。
」 by Wine Spectator ◎「非の打ち所の無い濃度。
」 by Robert Parker ◎「2006〜2013年/8年連続TOP100」 by San Francisco Chronicle 女帝ヘレン・ターリーが持つ「マジック・タッチ」の後継者であるエレン。
しかし "触れるワインが全て素晴らしい品質となる" という結果は同じにせよ、そのスタイルは対象的です。
「ローヌ・スタイルのシラー」/「シャブリ・ライクのシャルドネ」/「クラシックなブル調ピノ・ノワール」と呼ばれるフェイラのワイン群は、典型的なカリフォルニアとは異なる方向性を持ち、またこうした流れは今でこそ新たな流れとしてもてはやされていますが、既に90年代からこの型を我が物としていたあたり、エレンの才には脱帽するばかり。
こちらにご案内するは、フェイラのA.V.A.ライン、ソノマ・コースト。
いわゆる最も廉価なスタンダード版になります。
しかし「フェイラの並」を侮ることなかれ。
ここのスタンダードは他所のデラックスです。
費用対効果ならば同じフェイラのシングルをも凌ぎます。
▼フェイラ(Failla Wines) フェイラとは女帝ヘレン・ターリーに従事し、彼女の弟であるラリー・ターリー率いる 『ターリー・ワイン・セラーズ』 にて、ヘレンの代わりに醸造コンサルタントを任されたシンデレラ・ボーイ…エレン・ジョーダン(Ehren Jordan)のプライヴェート・レーベルです。
2000年代初期に輸入が途絶えてから長らく日本では入手することができませんでしたが、2014年に約十年近くぶりとなる正規輸入が再開。
この間、WE誌では全米史上歴代No.1シャルドネとして、前人未到の【WE99点】を獲得し、またエレン・ジョーダンはIPOBのキー・パーソンとしてメンバー選定人も務めるなど、人としてもワインとしても、かつての輸入時とは比べ物にならぬほどのソノマ・プレミアムの中心的存在となっています。
外部醸造家の招聘(コスト)が不要なこと、自らの名刺代わりになるがための尽力など、「優れた醸造家のプライベート・レーベルは最も価値がある」とはよく言われる事ですが、フェイラはそれをもっとも顕著に示した例と言えるでしょう。
アレン・ジョーダンのフェイラにおけるワイン造りは "自然にできるだけ身を委ねる" 形をポリシーとしています。
ワインに必要以上の熟しを求めず、美しい酸を基盤とします。
ロバート・パーカーもこの点に関しては「アレンのフランスにおける経験を踏まえれば、彼のワインがフレンチ・ライクな酸の側面や明白なミネラル感をもつことは何ら不思議ではない。
」と述べています。
▼ピノ・ノワール・ソノマ・コースト 他所であればこういったスタンダード版に用いられるのは「若木」とされる、キュヴェや単一畑には向かない葡萄樹からの果実。
しかしフェイラのソノマ・コーストには、(もちろんシングルよりも樹齢は低いですが)若木と呼ばれる段階を卒業し、成熟度を増しつつある葡萄樹からの果実が使用されます。
醸造においてもシングル・ヴィンヤードと同等のマナーが用いられます。
フレッシュ感を際立たせるため、樽は必要最低限。
新樽比率は10%のみ。
また1/4ほどステンレス・タンクを併用しています。
果実は七箇所から。
『ハーシュ』 『オクシンデタル・リッジ』 『キーファー』 『ファイラ・ステート』 『オリヴェット・エステート』 『フラッドゲート』 『プラチーダ』…って贅沢すぎません!? ◎VINOUS (2018.7)より 【AG90点】 「The 2016 Pinot Noir (Sonoma Coast) is laced with the essence of blood orange, bright red fruit, mint and white pepper. Medium in body, gracious and lifted, the Sonoma Coast Pinot has so much to offer. Year in, year out, Failla's Sonoma Coast Pinot is one of the very best wines in its price range. Don't miss it.」 2018年3月に恵比寿ウエスティンにて開催された、年に一度の加州ワイン最大規模の試飲会、グランド・テイスティング東京にて試飲して参りました。
当日のナンバーワン・ピノは 『フリーマン・アキコズ・キュヴェ』 でしたが、価格は一万超え。
コスパで言えば、『リヴァーズ・マリー』、そして当フェイラの両エントリー版ピノがトップ2でした。
高貴な甘みの旨味とスタイリッシュさが誰にも伝わる、センスにあふれた遊びの世界…都会の場で華やぐかのようなピノ・ノワールです。
造り込みがスタイリッシュで、上から下までの装いが落ち度なくおしゃれ。
色気(甘み)の出し方に過剰なところがなく、教養(酸味やタンニン)もひけらかさない、人ならさぞモテるだろうなぁ…といった佇まいです。
完熟したプラムや甘みの乗った高級いちごがあり、少なめでまろ味のあるタンニンと酸味も大人しく、赤果実の旨味と甘味が肉厚感を構成するものの、フィニッシュに清涼感を残し、且つしなやかです。
軽いスパイスも漂い、森奥やフローラルな匂い、ややスモーキーさのなかに紅茶や漢方も薫るあたりも心地よいアクセントに。
●ガローニが「素晴らしいエントリー版」と言うのも頷けます。
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